2023年07月30日
「投資の鬼才」と呼ばれる米国の億万長者投資家・ウォーレン・バフェット・バークシャーハサウェイ会長兼最高経営責任者(CEO)が最近日本総合商社に直接訪問して投資のポートフォリオを組み、注目されている。
日本総合商社は「薬からロボまで」多くの新規事業へ手を伸ばしている。従来には多様な商品、サービスの輸出入貿易、卸販売、中間流通などの事業を中心に企業を拡張してきたが、今は製薬バイオ、エネルギー事業まで手を伸ばしている。
30日CNBC、日本経済新聞などによると、バフェット氏は最近日本の5大総合商社(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅)の持分を平均8.5%まで増やした。昨年11月公示した約6.2%~6.8%より2%ポイント増えた。 米国以外の国でバフェット氏が保有している株式の中、日本の5大商社の割合が最も大きい。
■バフェット氏が出資拡大を決めた理由は?
バフェット氏は2020年8月初めて日本の5大商社の持分を各5%以上取得した。出資金額は約60憶ドル(約7兆円)だった。同年11月には持分を買い取って6%まで取得した。同時、バフェット氏は「長期的な観点で出資し、株価に応じて各企業の持分を最大9.9%まで買い取る意志がある」と語った。
3年前、バフェット氏が日本への投資を決めた時には多くの人は疑問を抱えた。だが、バフェット氏の決断が正しかったことが証明されている。ロシア・ウクライナ戦争が長期化する中、エネルギーとの農産物など原材料の価格が高騰し始めた。日本の5大総合商社は連日で過去最高を更新している。2020年7月の安価から最近まで三菱商事は128%高騰し、伊藤忠商事も77%上昇した。
今年、バフェット氏の投資も予想通りだ。バフェット氏は資源をめぐって国家間の競争が激化し、自国優先主義が台頭している中、総合商社の事業ビジネスが拡大すると判断した。本業から脱皮を狙う韓国の総合商社とは多少違う観点だ。
■日本総合商社、製薬・バイオ事業の進捗状況は?
では、日本総合商社の制約・バイオ事業はどのように展開されているか?
日本商社売上高3位の三井物産はヘルスケア分野において大規模な投資を行ってきた。業界のトレンドとして位置付けられた非資源投資の一環としての投資だ。アジア最大の病院グループIHHヘルスケアに初めて出資した2011年から蓄積したデータを基に、他の事業と結合して収益性を引き上げることに拍車をかけている。IHHに対する持分は32.9%で筆頭株主になった。
三井物産はIHHのデータを中心に医療・健康フラットホーム事業を通じて成長へと導く方針だ。複数の事業を保有した商社の強みを生かしてサプリメント、食料品、ICT(情報通信技術)などとつなげてシナジー効果が見込まれる。実際にIHHが保有した外来及び入院患者のデータは3,000人分を超える。また、三井物産が出資した米国企業が保有している電子医療記録情報は約4億人分に及んでいる。
<「ニューロフェットAQUA」>
住友商事も医療データ分析及び活用を通じて東南アジアへのヘルスケア事業を拡大している。住友商事は去年下半期 ローランド・ベルガーシンガポールなどと協業し、医療データ分析を基にした多様な医療費抑制サービスを展開すると発表した。
最近、東南アジアでは高齢化及び生活習慣病の層化による影響を受け、医療ニーズに対する供給が追い付けない課題が社会問題化してきている。医療品、医療技術などの発展と共に、医療コストが増え、患者や企業、保険会社への負担が大きくなっている。住友商事はこれらの課題を解決する目的で、ベトナム及びマレーシアでマネージドケア事業を展開している。これからはマネージドケア事業から得た医療データを分析及び活用して東南アジア全域における医療費抑制・適正化に貢献する計画だ。
クレアボは韓国企業ニューロフェットと人工知能(AI)脳疾患診断事業に乗り出す。クレアボは日本5大商社の中で一つである松紅が持分100%を保有している子会社だ。
ニューロフェットは日本デジタルヘルスケアソリューション専門流通企業のクレアボと「ニューロフェットAQUA」の現地販売を目的とする業務協約を締結した。「ニューロフェットAQUA」はAI技術で脳MRIを定量分析を行い、アルツハイマー型認知症、血管性認知症等神経変性疾患に見られる脳萎縮と白質変性などを噴石する脳画像分析ソフトウェア医療機器だ。
ニューロフェットは日本市場への進出に向け、3月日本厚生労働省から「ニューロフェットAQUA」の医療機器認証を取得した。
■過去に投資を行ったバイオ企業の成長も期待
業界トップの三菱商事は2018年11月Rhelixa社に1億3,500万円を投資した。Rhelixa社にはエピゲノム情報解釈に強みを保有したバイオベンチャー・スタットアップ企業だ。同社の技術はガンと認知機能に関連する疾患の予防と治療に役立ち、医療以外には農薬・畜産・水産部門への応用も可能だ。
2020年3月東京大学発のベンチャー企業「ペプチドリーム」社と成長因子代替ペプチドを製造する「ペプチグロース」社を設立した。同社は細胞治療、再生医療などを目的とし、成長因子を代替するペプチドを研究開発している。
伊藤忠商事は2020年6月筑波大学発のベンチャー企業「iLAC」社と資本提携契約を締結した。「iLAC」社は個人の血液サンプルから全ゲノム解析を行い、未来の医療に役立つデータネットワークを構築する。最近、全ゲノム解析は患者の精密医療において重要性が大きくなっており、伊藤忠商事は「A2 Healthcare」社のCRO(医薬品開発業務受託機関)事業との連携業務も進めていく予定だ。
住友商事は2017年ペット用の治療剤及び予防薬開発する米国の「 Piedmont Animal Health (PAH)」社に投資を行ってきた。以前から住友商事は「PAH」社製品の日本現地販売を担当してきたが、今回の投資を機に「PAH」社に日本新薬を紹介し、原薬の供給も開始した。
三井物産は2020年2月仏アニマルヘルス企業「Ceva Santé Animale」社へ出資した。「Ceva」社は畜産動物やペット用の医薬品を開発及び製造する世界5位の企業だ。
日本製薬社のある韓国法人関係者は「強化した保護貿易主義により、効率的な資金配分を踏まえ、総合商社の多くは最近投資を行っている」とし「商社の製薬バイオへの出資は既に2010年から行われており、持分を増やしたバイオ企業もあるため、影響力を高めている」と分析した。
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