2023年07月24日
ワイアレス心電図パッチを製造する(心電計)韓国ベンチャー企業Wellysis社が大規模なファンドレイジングを準備している。投資額を活用し、米国進出に乗り出すためだ。その背景にあるのは、Wellysis社が最近受けた米FDA承認(製品販売承認)だ。
ベンチャー投資業界によると、Wellysis社は第四半期にシリーズC段階のファンディングを開始する予定だ。会社説明資料(IR)が完成されれば、多くの財務的投資家(FI)や戦略的投資家(SI)と接触する計画だ。希望の資金調達規模は200憶ウォン以上だ。Wellysis社は去年シリーズBのファンディングでFI・SIから合計73憶ウォンを調達した。2019年5月設立以来、累積投資額は約150憶ウォンだ。
韓国ベンチャーキャピタルUlmus Investment社が投資をリードした。シリーズAとBに65憶ウォンを投入した。Samsung Venture Investment Corporation、NCORE VENTURES社、漢陽大学技術持株などもシード(Seed)及びシリーズAに数十億ウォンを投資した。米国の体外診断企業Access Bio社、韓国心血管疾患専門医薬品製薬会社サムジン制約社などが投資家(SI)として参加した。サムジンはUlmus Investmentが投資機構として活用したプロジェクトに出資する形で投資を行った。
Wellysis社はサムスンSDSデジタル・ヘルス事業がスピンオフして設立された会社だ。ワイアレス心電計「S-Patch Ex」シリーズを製造している。胸部に付着する薄いパッチを通じて記録した心拍データをその場でスマホにインストールされている人工知能(AI)分析プログラム(ユーザー)と医師に転送する。心電計は突然死、脳卒中の主な原因となる不整脈を診断するために使われる。
Wellysis社は投資額を米国市場への進出のために活用する計画だ「S-Patch Ex」は今月初めにFDAから市販前通知510(K)申請を終えた。これによって、米国国内の大型病院や診断専門病院への納品も可能になった。Wellysis社は年内に米国法人を設立し、営業をスタートする予定だ。米国進出が予定通りに進む場合、来年の営業実績は大幅に上がると予想している。
米国の心電計市場規模は、現場時点で約9,000憶ウォンと推定されている。Wellysis社のワイアレス心電計が安定的に上市する場合、数年内に市場規模が4兆ウォンに達すると試算される。米国の場合、遠隔診療(電子処方箋)が可能なため、早い期間内に従来の有線心電計ホルターを置き換えることが出来るという分析だ。世界保健機関(WTO)によると、ホルターの不整脈診断率は30％未満だ。断続的に発症する不整脈の検出や医療従事者へのデータ転送がリアルタイムでできないためだ。
Wellysis社はファンディングを進める過程で、自社の技術力と革新人材を中心にアピールする計画だ。特に、デバイスにはサムスン電子が開発した生体信号専用チップが搭載されていることを強調する構えだ。また、サムスンSDSのAI技術によって得られる精度の高いデータをメリットとしてアピールする予定だ。Wellysis社の核心人材はサムスンSDSデジタル・ヘルス事業部出身であってデジタルヘルスケア業界への理解度が非常に高いと知られている。 Wellysis社のジョン・ヨンヒョプ代表は25年間米国ジョンソン＆ジョンソンでヘルスケア事業を担当した経験がある。
Wellysis社の関係者は「新規投資額は米国への進出のために使われる」とし「米国のワイアレス線心電計市場は成長している段階で、成長ポテンシャルが大きいと判断される」と述べた。
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