2023年12月6日
<Neurophet社の展示会現場>
アルツハイマー病向けの新薬「レケンビ(一般名:レカネマブ)」が韓国内にも市販されれば、認知症も治療出来るようになる、との認識転換が行われると見込まれる。今までは治療薬がなかったため認知症の診断に消極であったが、初期段階であるこそ治療効果が高いため、軽度認知障害の初期患者の発掘も活発にある見込みである。
レケンビは静脈注射として2週毎に1回の投薬が必要であるが、米国では年間2万6500ドルがかかる高価の医薬品である。類似なメカニズムを持っているイーライリリー社の「ドナネマブ」も同様に高価に策定される可能性が高い。
業界の関係者は「レケンビによって自然に認知症治療への関心が高まっていけば、早期予防と診断などにより積極的に立ち上がることになる」とし「レケンビより安い治療薬を探す需要も増える」と述べた。
まず認知症を簡便に診断するためには「血液検査」などが注目される見込み。現状の認知症検査は3段階で行われる。選別検査(MMSE-DS)、診断検査(神経心理検査)、鑑別検査(脳映像検査)で、より接近しやすい診断方法が望まれている。
韓国内ではPEOPLE BIO社が2018年KFDAからの承認を受け、認知症の血液検査キットを開発・商用化した。従来は認知症の治療薬がない状況で市場拡大が難しい状況であったが、レケンビの登場により、診断領域が広がると見込まれている。PEOPLE BIO社は去年から認知症血液検査の「AlzOn」を広報している。
AlzOnはアミロイドベターの凝集を動的に測定する。身体の中でこのたんぱく質の病理が詰まっているかの確認ができる。発病の危険度を早期に確認できるため有用である。PEOPLE BIO社は2024年に1500カ所の病院に当該検査を導入することを目指している。
「脳の映像分析技術」も浮かび上がっている。Neurophet社はアミロイド‐PET画像を自動分析するソリューション「Neurophet SCALE PET」を商用化した。PET画像とMRIを結合し、アミロイドベターたんぱく質、タウたんぱく質などのアルツハイマーのバイオマーカーを超高速で分析するソフトウェアである。
また、アルツハイマー治療薬の副作用の分析など、脳映像AI分析ソリューション技術を今後リリースする予定である。レケンビなどのアルツハイマー新薬の投薬後、副作用として現れる「ARIA(amyloid related imaging abnormalities)」を見つけ出す技術である。脳出血や脳浮腫などのARIAを分析できる製品を来年市販する計画である。
Neurophet社の関係者は「治療薬を造る会社と協業のために議論中」と述べた。また、Neurophet社は先月、計200億ウォン規模のシリーズC投資誘致を完了した。
治療とともに診断・予防が可能なデジタル治療剤の市場も大きくなると見込まれる。
ROWAN社は認知治療ソフトウェアを開発して軽度認知障害の患者にパーソナライズされた訓練を提供する。日本向けのウェルネス製品の輸出も進めている。
アプリで認知症の診断と治療を行うHAII社は、軽度認知障害の自己診断プログラムの「AlzGuard」と、デジタル認知症治療剤の「AlzTalk」をサービスしている。
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